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2014/03/14

dpi magazine vol.179 March 2014



今回は海外メディアのお話です。
台湾のデザイン系の雑誌「dpi」よりZINEに関するインタビューを受けました。台湾を中心に今月、発売されています。
このブログを見ている私の台湾の友達や台湾にお住まいの方はぜひ、ご覧になってください。
dpiマガジン編集部の皆様、ありがとうございました。

I'm pleased to answer an interview of zine by Taiwanese design magazine dpi.
Please have a look if you're living/staying/visiting to Taiwan.



私が載っているのはZINE特集。
見開き4ページにわたって、ZINEに関しての出会いや制作過程について答えています。
昔の作品から説明しているのだけれど、なつかしい。
ZINEに出会ったのはロンドン時代、というところから始まる内容になっています。
インタビューでは日本語で答えました。そのデータを残しているので特別に載せます。

I'm on zine's special pages, I talk about when I know it and how I make. Although there're some old works, good to remember them. The original interview form was in Japanese below.

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Q1: ZINE作りを始められたきっかけは?記憶に残るようなエピソードはありますか?
A1:  ZINEを初めて知ったのは2010年頃、私がイギリスのロンドンで大学院を修了した後でした。ロンドンではLondon Zine SymposiumやSouth East London Zine Fest、International Alternative Press Festival等アーティストが参加しZINEなどの作品を販売するイベントがたくさん開催されます。そこで多くのZINE作品を見て、「私もZINEというものを作ってみたい!」と思うようになったのです。ただこれといったZINEのフォーマットはないようなので、それまで制作したイラストの本やアートブックとして作っていた作品をZINEと呼ぶことができるのか、複雑なところです。ロンドンで見たZINEで少しびっくりしたのは本の端っこが揃えていない雑な製本が多く見られたところです。日本ではキチンと作る人が多いのでこのような雑さはびっくりしました。アーティストは美的感覚が問われるので、作品によってはきれいな製本がいいと思います。


Q2: ZINEのテーマはどう決めますか?
A2: 私はこれまでZINEというジャンルで制作したものは6作品、それ以外でアートブックとして作ったものでは2作品あります。私のメインはイラストレーションですので一枚の絵で説明することが多々なのですが、一枚だけでは表現できないことも時々あります。「I drew my LAST FEW MONTHS in LONDON」というZINE作品があります。これは3年半滞在したロンドンでの、帰国するまでの最後の3ヶ月間を日記に綴ったZINE作品です。自分の記録として、ロンドンで知り合った人たちへ、日本の家族や友達へ、私のことを知りたい人たちへ、送るためにこの作品を作ろうと思いました。最後の3ヶ月間にはロンドンで個展をしたことも含まれています。絵日記をInstagramにアップし、20128月に日本へ帰国してから自分で印刷し本にしました。インターネットでカンタンに絵を見れるだけではなく手に触れられるZINEとしてまとめることにより、より感情移入できるのだと思います。

Q3: ZINEの制作過程での考え方を教えて下さい。
A3: 私は作品を作るのに、まずはアイデアとコンセプトをスケッチブックに書き込んでいきます。どのように完成させるのか過程も書きます。イラストレーターですので絵から始まるのですがどんな絵を描きたいかこれからコンセプト等作品に厚みができていき、どんな形の本であれば伝わるかなという方向へ持っていきます。




Q4: 全体の体裁はどのように決めているんですか?
A4: Q3で答えたように始めのアイデア出しから決めていくのですが、コンセプトと画面作りができなければ体裁は決まりません。「犬とおんがくとえ」というZINE作品は私が大好きなものを詰め込んだものとなっています、その自由な部分からフォーマットも自由に、「本」という形は捨て、犬や音楽についてのフライヤーやカードが挟まっているという雑なスタイルにしました。2010年に大学院の修了制作でつくった「When I Have...」というDreamSceneryMemoryと三冊に分かれた作品はアコーディオンスタイルになっており、ロンドンで感じたことを絵に表現しています。元々立体的なものを作るのが得意ではない私にとってこのアコーディオンスタイルは楽な手法ではありますが、各テーマになぞって描いた絵を見せたいためこの方法を使いました。立ててミニギャラリーみたいになるよう、厚手の紙に印刷し製本しました。


Q5: ZINE作りの楽しさは?最も苦労したことは何ですか?
A5: 自分の作りたいように作れることがすごく楽しいのだと思います。逆に、イベントで作品をあまり見てもらえないと「もっと工夫して面白くすればよかった」「デザインが良くないのかな」等色々と考えてしまいます。そんな中でも好き!といってZINEを手に取ってもらうのを見て「私の作品を気に入ってくれる人はたくさんいる!」とすごく嬉しくなります。苦労するところは製本です。ZINEの一番の見せ所なのでここには毎回悩みます。もっと勉強が必要ですね。また、日本へ帰国してから、その頃日本でもZINE文化が始まりここ数年で盛んになってきたのですが、ロンドン見るZINE、日本で見るZINEの印象が違うことに少し悩みました。結局のところZINEとはなんだろう、と。日本の方が一冊一冊お金をかけてでも丁寧な本作りをしている印象を受けました。

見た目的なことで敵わないと思いましたが、あれから数年経ち日本で見るZINEもよりゆったりとして自由な雰囲気の作品が増えてきたので気にしないようになってきました。

Q6: ZINEを製作する上で重要なことをお教えください。
A6: Q5でも答えたように、人に手に取ってもらえるような工夫や画面作りは重要だと思います。他の人はどんなZINEを作っているか、どんな人がどんなZINEを手に取るか、ZINEのみならずアートブック、書店にある本、フリーペーパー等々、世の中にあるものをリサーチして知ることが大切です。そうしてアーティストとしてのデザイン力や美的感覚も身に付いていくのだと思います。



Q7: 特に思い入れのあるZINEについて、教えてください。
A7: どれも気に入っているので選べない・・!「犬とおんがくとえ」は一番自由気ままに作ったので気に入っています。新作ZINE「ぼくがたどりついたところ」はこの間東京で開いた個展から作ったものなのですが、これは私が初めて飼ったクーたんという犬の話をテーマにしました。性格もおとなしいクーたんは前の家族に捨てられたのだろうという憶測から、何故ペットを捨てるのか人々に投げかけれるようなそんな作品を作りたかったのです。最終的には絵本を作りたいのですが、今回これをZINEにした理由は多くの人たちに読んでもらえるようにしたかったのです。体裁も読みやすいようシンプルにコンパクトにホッチキス止めにしました。少しずつ生産していくのですが、英語版を制作予定です。

Q8: いろいろ情報発信の方法がある中、「ZINE」を選んだ理由は?
A8: 単純な言い方ではありますが、自分のポートフォリオになると思います。内容によってはこれからの絵本作りや本の構成、時には枠を超えた作品や新たなアプローチが生まれたりします。一枚のカードとは違いボリュームがあり、その中でコミュニケーションが取れるのも魅力の一つだと思います。

Q9: 展覧会ではお客さんとお話しされますか?その時の印象深い出来事を。
A9: はい。挨拶を始め、できるだけお話しようとします。作品が重要ではありますが、作家がどんな人間か知ってもらうのも作品の一部だと思います。前回の個展では手作りのフェルトで作ったクーたんのぬいぐるみを飾っていました。クーたん、既に死んでいますが、もともと現物もとてもかわいいのです(私の犬を見てみたい!という方は私のウェブサイトにあるブログで今まで飼った犬の写真を載せているのでぜひご覧になってください)。そのクーたんを気に入ってくれた方がわざわざ個展に足を運んでくれてそのぬいぐるみを購入していきました。その方も含めクーたんってどんな犬だったんですか?と聞いてくださるお客さんとの交流が印象に残りました。

Q10: これからZINEを作ってみたいと思っている人へアドバイスを。
A10: 自分らしく、自由奔放に!時々デザインもしましょう。

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うーん、なんかインタビューってはずかしい・・・^^;
偉そうに答えているつもりはないけど偉そうに見えてるかも。
はずかしいですねぇ。

中国語オンリーですが、こちらから入手できます。
This URL is online shop of dpi:
http://www.books.com.tw/exep/prod/magazine/mag_retail.php?item=R030045049